占星術・心理術メモ

占星術/タロット/サビアンシンボル/心理術

スクエアのアスペクトを解説

スクエア(90度)のアスペクトは、対立する元素で形成されます。火・風のグループに対して、土・水のグループが対立する性質を持っています。

表面的には四元素は別々のものですが、非物質の第五元素を分割して、物質的な状態に落とし込んだものが四元素だとすると、スクエアの関係にあるサインは実はよく似ているともいえます。

もともとは同じものを別の角度から見ると、それぞれの違いが浮き彫りになります。

スクエアはオポジションのように常に意識される対象であるのではなく、スイッチが入るように、不意に影響が流れ込んできます。

しかも対立するサインやハウスからの影響であるために、公転周期の小さく力の弱い惑星からすると、急に活動を抑え込まれたような不愉快な印象を感じることも多くなります。

この対立的な関係を上手に扱うためには、相対的に弱い方の惑星に、スクエア関係の強い方の惑星の性質を巧妙に取り込むスタイルを見つける必要があります。

生活スタイルや内面的な歪みが大きく、特定の惑星意識の持ち方に偏りがある場合、トランジットの公転周期が大きい惑星からのスクエアは特に注意が必要です。

例えば、ネイタル金星に対してのトランジット冥王星は、金銭トラブルを暗示します。

ネイタルチャートの例としては、庵野秀明監督は太陽が双子座の初期度数、冥王星が乙女座の初期度数にありスクエアの関係です。

双子座の太陽の特徴としては、『シン・ゴジラ』などを見てもわかるようにセリフの多さ、早さが際立つ演出がなされています。

一方乙女座の初期度数は、イラストレーター、漫画家など絵を描く人にも多い領域であり、ヴィジュアル的な表現をするのに適しています。

庵野監督は、執筆などの言葉を使う分野ではなく、映像分野での成功が有名です。太陽のある双子座ではなく、冥王星のある乙女座の方で、個人として社会で認知されています。

つまり、太陽=自己実現として、太陽サインの双子座(言語表現)での成功として見るのではなく、スクエア冥王星の乙女座(映像表現)の性質の方が前面に出ることもあるということです。

これはスクエアのアスペクトの取り扱いが大きな成功をもたらした例であるといえるでしょう。

トラインのアスペクトを解説

トライン(120度)はサポートや援助、安定させるという性質であり、最も好意的に解釈されるアスペクトです。

120度をハウスで考えると、1ハウスの自己に対して、5ハウスと9ハウスに当たります。

5ハウスの性質としての趣味は、自分が好きなことをすることで、他人に配慮する必要がありません。5ハウスは創作物や子供も意味しますが、どちらも自分の一部を延長して、外に出して見えるようになるという共通性があります。

9ハウスは、遠くのもの、教養、思想などを含みます。自分を遠くを目指して高めると教養を持っていることになります。或いは、自分の思想はその人の価値観や生き方を補強して、力強いものにします。

いずれも、自己の拡張に結びついていて、自分の性質が刻印された作品や子供が生まれ、思想によって向上心が自分を高級なものになります。

そのような自己の性格を温存しつつ、広く高く引き伸ばしてくれるというのがトラインのアスペクトの特徴です。

二重円の相性図やトランジットの時期読みでも、トラインはよく好まれています。

相性図では、相手の惑星との関係でできるトラインは、自分のホロスコープ上の困難な状態にある惑星を補強して、無害化してくれます。

トランジット惑星からくるトラインは、ネイタル惑星に関する事柄を修復したり、加速させたりという効果があります。

3つの惑星がそれぞれ異なるサインでお互いにトラインを作り、大きな三角形を形成するグランドトラインというアスペクトがあります。

グランドトラインは同じ元素の3つのサインで作られることが多いのですが、その元素の示す性質を強力にサポートし、安定させます。

火のサインでは、精神的な活力や闘争心。

土のサインでは、経済面の安定や実用的な対応能力。

風のサインでは、知識の豊富さや対人関係の能力。

水のサインでは、共感能力や心霊的な能力を高めます。

オポジションのアスペクトを解説

オポジション(180度)のアスペクトの特徴は惑星同士が強烈に意識し合いながら、行動意欲を刺激されるということです。

意識するということは、ある意味他人を見るような感じがあります。サイクルがあるというよりは、常に働くタイプのアスペクトです。

行動意欲が湧き出してくるのは、トランジットで木星土星やトランスサタニアンのようなゆっくり動く強力な惑星がネイタルの惑星にオポジションを形成したときなどによりわかりやすく感じられます。

ネイタルの場合はそれが当たり前になってしまっているので、新鮮味がないかもしれません。

オポジションの位置にあるサインやハウスは、共通性を持ちつつ対照的な関係にあります。

1ハウスにとっての7ハウスは他者であり、強く意識する対象であるという性質が出てきます。

2ハウスにとっての8ハウスは、自分の資産に対しての他人の資産。

3ハウスにとっての9ハウスは、身近な環境に対して遠くの、高められているような場所。

4ハウスにとっての10ハウスは、家庭という安心できる居場所に対しての社会というバトルフィールド

5ハウスにとっての11ハウスは、個性を自由に伸ばしていくことに対して、客観的な価値観を人々がもたらしてくれる場所。

6ハウスにとっての12ハウスは、自分を訓練して完成させることに対して、自己の防衛意識を弱め他者に奉仕する場所であるというように、自己と他者との関係性を強く意識する状況に引き込まれます。

個人的なことでは、最近ネイタルの金星にトランジットの土星オポジションを形成していました。そうすると、経済的(金星)なことで、制限(土星)を受けるという体験がありました。

トランジットのアスペクトが正確になったタイミングではなく、数度のズレはありましたが、これは普通のことだと思います。

トランジットの効果が出来事として現れるのか、単に内面的なものに留まるのかはケースバイケースであるし、それぞれの惑星にちゃんと馴染んでいるかによって、体験の性質は変わってきます。

オポジションは行動的であるということからすれば、あえて積極的にその惑星のサインやハウスに相応しい行動を先んじて実行してみれば、惑星のエネルギーの吐口をコントロールできるのではないでしょうか。

コンジャンクションとノーアスペクトについての解説

コンジャンクション(0度)のアスペクトを形成する惑星は、お互いの作用が混ざってしまって、それぞれを分離して捉えるのが難しくなる傾向があるように思われます。

そのアスペクトがある人にとっては、いつもセットで働くのが当たり前で、その状態に慣れてしまいます。

コンジャンクション以外のメジャーアスペクトオポジション(180度)、トライン(120度)、スクエア(90度)、セクスタイル(60度)は、惑星からすると離れたところにそのアスペクトを形成する惑星があるためにいわば対象化して見ることができます。

その離れたところというのは、別のサインやハウスであり、自分とは異質な影響を持ち込む回路ができるということにもなります。

例えば、水星と金星のコンジャンクションは、表現力の豊かさを表しますが、水星は言語能力とか手作業の技術を示し、金星は美と調和の感性をそこに付け加えます。

それと同時に、惑星の影響が混ざり合ってしまうので、水星単独の硬質な論理性を純粋に発揮するのを難しくする面も出てきます。金星にはやはり柔らかい質感があります。

 

ノーアスペクトとは、一般的な解説では、メジャーアスペクトを持たない惑星のことを指しています。

その性質は、簡単にいうと過剰に機能するか、あまり目立たないということになります。

ノーアスペクトの惑星は、その他の惑星との関係性が希薄であるために、ほどほどさがわからなくなって、働きが強まり目立つというのが一つ。もう一方では、惑星全体の相互作用から放置されているかのように、その惑星が示す事柄が人生の中で不活性状態にあるように見えます。

コンジャンクションの惑星が、その他の惑星とメジャーアスペクトを取らないという配置がしばしばありますが、これもノーアスペクトの範疇に含めてもいいのではないかと思います。

コンジャンクションの惑星はお互いに混ざり合うので、他の惑星を対象化して関係を結ぶことが難しいというのが、その理由です。

例えば、山羊座で金星と火星のコンジャンクションがあり、それが他にメジャーアスペクトがない人は、その人は美容に熱心過ぎて、常識の範囲を超えているというケースもありました。

男性のホロスコープで金星がノーアスペクト、或いは女性のホロスコープで火星がノーアスペクトという場合には異性と付き合うのが困難であるケースがよく見られます。ただし見たところ、同性に興味が向く傾向が出てくるということでもないようです。

 

プログレスとトランジットでシンプルに時期を読む方法を解説(今回は結婚時期の例)

占星術でしばしば求められることとして、時期を読むというのがあります。
あらかじめ何が起きるのかを具体的に言うことはできませんが、どんな種類のことが特定の時期に起こりうるのかを、占星術では考えることができます。
占星術を学ぶ過程では、逆に実際の出来事と照らし合わせて、ホロスコープ上の配置のもつ意味を類推することができるわけです。
ということで、最近のニュースで中川翔子さんの結婚を例にとって見てみます。なぜこの話題を取り上げるのかというと、中川翔子さんの出生時間が公表されているからというのが大きい。

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上記の図は、ネイタル、プログレス、トランジットの三重円です。三重円ともなると見るべきところがかなり多くなりますが、シンプルに重要なポイントを読みましょう。

女性の結婚運の場合は、まず太陽、7ハウス、7ハウスの支配星が最も重要です。

太陽は10ハウスで牡牛座15度ですから、社会的な立場があり、尚且つ資産があるとかビジネスの才能があるというようなイメージになります。牡牛座15度は12サインに於いて金運が最も高まる度数でもあります。

太陽は4ハウスの月とオポジションであり、家庭と仕事を両方とも重視して、忙しく行ったり来たりするというのが人生の柱になるという感じです。

7ハウスの木星はパートナー候補が豊富であることを表すので、一人に絞るのを難しくしていたかもしれません。ただし、太陽と月は牡牛座と蠍座ですから、これと決めるとしつこいということ。

7ハウスの支配星は天王星で5ハウスにあります。旦那さんは動物好きだそうですが、古い占星術では家畜としての動物は仕事をさせるという意味で6ハウスですが、現代の愛玩動物としてのペットは趣味の5ハウスの方が相応しいといえるでしょう。

 

ネイタル(n)から時期読みに移ります。

まずはプログレス(p)ですが、p月がn金星にコンジャンクションでした。正確なタイミングは2ヶ月ほど前です。結婚のきっかけとしては、n金星かp金星が絡むことが比較的多いようです。金星の憧れや華やかさのイメージが関係していると思います。

プログレスに関してはざっと見たところこれだけで、とてもシンプルですが重要な配置です。

次はトランジット(t)。

まず目につくのは、ホールサインハウスでは冥王星水瓶座入りというインパクトのある切り替えの時期が、結婚の7ハウスに当てはまります。冥王星はもちろん変化の大きなきっかけ。

加えてt天王星が、n太陽、nノースノード、MCが集合しているあたりに重なっていますから、社会的な立場を意識しつつ人生の方向性を新しくしていくという意欲が生まれてくる時期です。

7ハウス水瓶座冥王星が入ったということも合わせると、未来志向の結婚だと感じられます。古いものを断ち切るというニュアンスもありつつ。

 

今回はシンプルなわかりやすい指標を用いた読み方を解説しましたが、複雑で高度な読み方をするとなると、それぞれの惑星がその人にどのような気分、感情、環境との関係を形成しているのかをもっと内面的に入り込んで読んでいく必要があると思います。

ホロスコープから湧き上がってくるイメージに自分を没入させるという感覚…

だからといって具体的な出来事を予測しようとするのは徒労に終わる可能性が高いですが、そのような感覚に身を置いた上で質問に答えるということが、解答の的確さを保証することにはなると思われます。

 

 

夢解釈の一例、小惑星キロンとホールサインハウス

夢の解釈の一例として、自分が見た夢について書きます。
家族旅行のような感じでドライブをしていました。そしてオーストラリアの首都キャンベラに着きました。
そこには現代的な高層ビルが立ち並んでいました。
なぜオーストラリアなのか、ということですが、最近の松村潔さんのYouTubeでキロンについての動画がいくつかアップロードされていて、それを見ていました。
それでキロンについて何かと考えていました。
小惑星キロンはケンタウルス座と関係があるそうですが、ケンタウルス座はオーストラリアと関係が深いという話を以前読んだことがありました。
このような連想が働いたものと解釈しました。
首都キャンベラはアボリジニの言葉で「人が集まるところ」という意味があるそうなのですが、ここから私が最近考えていたハウスシステムの話と繋がります。
私のホロスコープでは、プラシーダスのハウスではキロンは研究、出版、大学などを含む9ハウスにありますが、ホールサインハウスだと社会、権威、ビジネスなどを含む10ハウスに入ります。
首都キャンベラ、乱立する高層ビルなどの象徴からしても、9ハウスというよりは明らかに10ハウスに相応しいということになります。
夢ではその後、見知らぬ赤ん坊が出てきたのですが、その赤ん坊は私のコンプレックスを刺激するような嫌な話題を持ち出してきました。
傷と癒やしをテーマとするキロンらしい話です。
私の場合キロンと土星オポジションですが、ホールサインハウスだと10ハウスと4ハウスに入ります。家族の4ハウス土星に侵入してくるキロンという構図です。
キロンの軌道は天王星土星の軌道の間にあります。そこでは新しいものと古いもの、変革と保守の対立による葛藤が生み出されます。
社会集団としての10ハウスは「人の集まるところ」であるわけですが、私の場合はキロンを仕事に使うことにもなりそうです。
セラピーや葛藤の解決…或いは痛みを伴う変化のサポート。
いずれにしろ天体の作用に受動的になるのではなく、能動的に対峙するのが重要だと考えています。

環境から受け取る印象が自分を微妙に変化させる

人は常に変化している。

環境に対しての受け取り方や反応の仕方に小さな違いが生まれる。

その感覚の微妙な変化を見逃してはいけない。

例えば街にはそれぞれの空気の違いがあり、注意すればそれを実感できる。

同じ街の各々の建物内の空間にも違った匂いがある。

それは土地のエネルギーであったり、そこにいる人々の心が発するエネルギーの質の影響がある。

そうしたエネルギーの中に身を置くのだから、自分がいる場所によって自分の意識も変化する。

その空気の質感の違いに意識的になって、言葉にしてみるのも面白いだろうと思う。

普段よくいくところとは違う場所にいくと、空気の違いは感じやすい。

逆にいうと自分は自分がよく居るところの空気に染まってしまっているということ。

でも改めて慣れている空間の質を新鮮に感じてみようとすることもできる。

すると自分が今どこにいるのか一瞬わからなくなるような感覚になる。

空間のデザインも無意味ではない。

空間の印象を受け取る人々の間で、心に生じたエネルギーが反響しあって増幅される。

そのエネルギーをそこにいる自分が受け取って、発想を得たり活動力に転用できる。